かいてんのブラサバブログ

Black Survival(ブラサバ)についてのんびり書いていきます。

スア「エマさんとの」 レオン「食事会」

17M-RFT33、スアと15M-RFT17、レオンと18M-RFT38エマを中心に仲良くお食事をするお話です。一部実験日誌のネタバレがあります。
エマの食事とかの実験日誌に触れつつのんびりと書きました。
実験背景などの解釈が違っていたらごめんなさい。

 

~調理室~


スア「……(もぐもぐ)」

レオン「……(パクパク)」

スア「(この酢豚、ちょっと辛めですね。なんだか故郷が懐かしく感じます)」

レオン「(この酢豚、少し甘めだな。……スアのそれとは違うのか?)」

スア「(食事中に余計なこと考えたらダメですよ!)」

レオン「(人の思考に介入するのは余計なことだぞ、スア)」

スア・レオン「「ごちそうさまでした」」

シウカイ「おう! どうだったか? 俺の酢豚は」

スア「私の酢豚は少し辛めで、韓国で食べていたそれと似ていて美味しかったですね〜」

レオン「俺のは少しマイルドな味付けだったな。それと、俺は箸にあまり慣れてないんだが、それでも具材が掴みやすいかったぞ」

シウカイ「よく気づいたな! ここにいたら故郷の味が恋しくなるからな。それを調べるのも料理人の腕ってこった」

スア「レオンさんが甘めな味付けが好きってのもよく分かりましたね〜」

レオン「さも当然のようにバレてるのはなんか癪だな。でも、俺の好みと合ってて美味かったぞシウカイ」

スア「私のも美味しかったです! またお願いしますね」

シウカイ「お前らは食事作法も良いし、感想も細やかだからな! またなんか作ってやる」

スア「はい〜ご馳走様でした。それじゃあ失礼しますね」

レオン「失礼するぞ」


〜廊下〜


スア「いやあ〜レオンさんも細かなところ気づきますね〜。私は気づきませんでしたよ」

レオン「まあな。というか、いつスアは俺が甘いもの好きだと気づいたんだ」

スア「それは、レオンさんの部屋にこそっと侵入……もとい、お邪魔したからですよ!」

レオン「言い直しても犯罪を犯していることには変わりないからな?」

スア「この島に警察はいないんですからいいんですよーだ」

レオン「アヤが泣くぞ」

テクテクテクテク

エマ「……(はむはむ)」ショボ-ン

スア「(レオンさん、レオンさん。エマさんが廊下で落ち込んでますよ)」ヒソヒソ

レオン「((体育座りでこっちに背中を向けて、パンをかじってるな)」ヒソヒソ

スア「(なんだかハムスターみたいですね)」

レオン「見るからに落ち込んでて少しかわいい)」

スア「(お持ち帰りして餌付けするつもりですか???)」

レオン「(ペット扱い。とはいえ食事関連でなんか合ったのか? 何となくだがシウカイが放っておかなそうだしな」

スア「(ふむふむ……よし!  茶番しましょう! 付き合ってください!」

レオン「(要するにいつも通りか)」

スア「エーマさん!」バッ

エマ「わわっ! えっ、えっと、誰だっけ? 私、最近この島に来たからまだ顔と名前を覚えてなくて」

スア「私はこちらにいるこの島の最高権力者かつ慈悲深い””王””であるレオン・アスキン様の付き人であるスアです!」

レオン「スアに名前以外間違った紹介をされた俺がレオンだ。……ここで何をしてたんだ?」

エマ「あはは〜。なんでもないない。えっと、スアさんと、レオン……さま? だっけ、邪魔しちゃった?」

スア「スアでいいですよっ」

レオン「俺もレオンでいいぞ。間違っても最高権力者だとか王とかじゃない」

スア「私にはさん付けを強要するくせに〜」

レオン「スアは誰相手でもさん付けだろ? ところでエマ。こんなところでパンかじってても美味くないだろ?」

エマ「ううん。大丈夫だから。ありがとう、もう行くね」パタパタ

スア「そうは問屋がおろしません!」ガシッ

エマ「ンヒィ!」

スア「お代官様! 村娘を捕えました!」

レオン「はははっ。よくやった。そのまま離すんでないぞ?」

エマ「なぜか唐突に茶番が始まったんだけど」

スア「お代官様。村娘はなぜこんなところにいたのでしょう?」

レオン「ふむ。村娘は見るからにショボくれていた。おそらく料理関連であろう。この島で凄腕料理人であるシウカイ殿の料理が食べられない理由、つまり」

スア・レオン「「食事作法」」

エマ「えっ、この人たち怖いんだけど」

スア「と、いうことでお腹も空いてるでしょうし、調理室に戻りますよ〜」

レオン「何も怖いことないぞ〜安心してついてこいよ〜」

エマ「茶番終わったと思ったら今度は連行!? ——って、力強っ! 歩けるから引っ張らないで〜〜」ズルズル


〜調理室〜


スア「誰もいません!」

レオン「シウカイは帰ったみたいだな」

スア「誰もいない密室にいたいけな少女を連れ込んだ男——警察案件ですね!」

レオン「この島には警察がいないからいいだろ。あとそもそも3人だし」

スア「アヤさんが泣きますよ」

エマ「あはは〜。あっ、自己紹介がまだだったね。私はエマ=ハーデン。マジック、特にカードマジックが得意なの」

レオン「よろしくな。茶番気味に連れて来たが、大丈夫か?」

エマ「うん。正直、シウカイさんに食事作法について色々言われたってのもそうだしお腹も空いてるから良かったんだけどね」

スア「シウカイさんはその辺りうるさいですからね〜」

レオン「特に箸の使い方だな。シウカイの料理は中華が多いし覚えるのは必須だろう」

エマ「お箸、お箸か……。私、全然使ったことないや」

スア「大丈夫ですよ! 丁寧に教えますから! レオンさんが!」

レオン「ちょっと待て。箸ならスアの方が適任だろうに——」

スア「それじゃあ、あとは若いお二人でごゆっくり〜」

レオン「無視」


¬¬¬=====


エマ「別室に行っちゃった……。いつもあんな感じなの?」

レオン「いつもあんな感じだぞ」

エマ「えっ、いつもレオンが偉そうにスアをこき使ってるんだ……」

レオン「今までのやり取りを見た感想がそれか?」

エマ「冗談、じょーだん。……たぶん」

レオン「おい、訂正するならきちんとした方がお得だぞ。今なら5割引きで許してやろう」

エマ「そんなタイムセールみたいな」

レオン「ところで嫌いなものとか無かったか? スアならその辺りを配慮して食えないものは出さんと思うが」

エマ「うん。嫌いなものは特にないかな。……それで、時間が余ってるならマジックを見て欲しいの!」

レオン「マジックか。こんな間近で見るのは初めてだが、タネが割れたりしないか?」

エマ「いくら私がビギーエマって呼ばれててもしろーとさんにバレることはないよ! それじゃ、テーブルのそっち側に座って座って」

レオン「おう。それで、カードマジックとやらを見せてくれるのか? ぱっと見何も持ってないしな」

エマ「ううん。今日は練習してるシルクハットからハトさんを出すマジック!」

レオン「それって結構準備がいるんじゃ——」

エマ「まずはこのシルクハットを見ててね」ボッ

レオン「ちょっと待て」

エマ「???」

レオン「その手に持ってるシルクハットはどこから持ってきた」

エマ「マジシャンの必須アイテムだよ!」

レオン「微妙に答えになってない」

エマ「このシルクハットハットには何も入ってませんよー。はい、レオン」

レオン「手渡されたのはいいが……これ、エマの頭とサイズ合ってないぞ? もう二回りは小さいのを買わないと」

エマ「えっ、あー、そう! 小さいとハトさんが可愛そうだからね!」

レオン「被ったらマジシャンらしくなりそうってだけだが、ほら確認したぞ」

エマ「ありがとう。さて、何にもないこのシルクハット。これに3回、魔法をかけて最後に1回転すると——いち、にぃ、さん! ハイッ!」クルッ

シ-ン……

レオン「やっばり準備不足だろ。カードマジックの方が良かったんじゃないか?」

エマ「そんなことないもん。いくよ、もう一度!」クルッ

シ-ン……

レオン「…………」

エマ「…………」


ガチャッ

ハト「なんだか呼ばれた気がして……気のせいだよね?」

エマ「!!!!!!」

レオン「!?!?!?」

エマ「マジック大成功!!!」

レオン「絶対想定と違うだろ!!!」


〜ハトさんは帰りました〜


エマ「マジックも成功したことだし」

レオン「してないだろ」

スア「満を持して私の登場ですね!」

エマ「わわっ、スアが手に持ってるのを見ると、鍋っていう料理かな?」

スア「おしいですね! 亀鍋でもドジョウ鍋でもないですよっ」

レオン「せっかくならメウンタンも入れてやれよ」

スア「なんなら90回復するアレでもいいですよ」

レオン「せめて名称を覚えてやれ」

スア「だって作りませんし……」

エマ「えっと、鍋じゃないなら、それは何?」

スア「これはですね~。肉じゃがです!」

エマ「肉じゃが……? 聞いたことはあるけど、食べたことはないかな」

レオン「あまり作らないもんな」

スア「焼きポテトと、ごぼうの煮物か黒酢にんにくを作る方が強いですし」

エマ「私が知ってる肉じゃがと違う気がする」

スア「まーこれはちゃんとお肉とかいろいろ入ってるので! レオンさん、テキトーによそっといてください。私はごはんを持ってくるので」

レオン「任せとけ」

エマ「ふ~ん。なんだか慣れてない?」

レオン「これくらい普通だぞ。エマも親の手伝いとかでよくやったろ?」

エマ「あ~。うん。ソ、ソウダネ」

レオン「もしかして、エマは危なっかしいせいで台所から遠ざけられたやつか」

エマ「そんなんじゃなくて……。そう! レオンみたいに母親の起源を取る孝行息子じゃないだけだし!」

レオン「微妙にけなしながら褒められると反応に困る」

スア「戻りましたよ~。おー。流石レオンさん。綺麗な三等分ですね」

エマ「肉じゃが食べたことないけど美味しそう! 早速食べてみよ――」

スア・レオン「「ちょっと待った!!」」

エマ「ンヒィ!」

レオン「最初に、一緒に食事する人が座るのを待ってから」

スア「両手を合わせて『いただきます』って言うんですよ~」

エマ「『いただきます』? なにそれ?」

スア「元は日本の文化なんですけど、食材を作ってくれた人、料理を作ってくれた人、食材そのもの、様々なことに感謝することって雪さんが言ってましたね」

レオン「食事をしっかり楽しむ切り替えの儀式、とでも思っておいてくれ」

エマ「様々な人に感謝する儀式……。みんな座ったよね? それじゃあ」

三人「「「いただきます」」」

エマ「――なんだけど、私、お箸の持ち方全然わからなくて」

スア「ふっふっふ~。ここはこの本『サルでもわかる食事作法―お箸編―』の出番ですね!」

レオン「基本は一本を鉛筆の様に持ち、もう一本を中指と薬指の間に挟むといい。下側の箸を親指の付け根と薬指の爪で固定するのがコツだ」

スア「スルー」

エマ「むむむ、持てない……。せっかくだし、サルにはなんて書いてあるの?」

レオン「字面」

スア「えっと、『二本が 2 - 3 cm の隙間を隔てたまま平行にでき、手のひら側の箸同士は常に間隔が空いた状態』ですね!」

レオン「聞いてて情景がまったく浮かばないんだが、そのシリーズホントに大丈夫なのか?」

スア「ベストセラーですよっ」

レオン「世も末だ」

エマ「むぅ~。あっ! ジャガイモにお箸を突き刺したら楽なんじゃ――」

スア・レオン「「ちょっと待った!!」」

エマ「ンヒィ!」

スア「それは「刺し箸」というバッドマナーですよ」

レオン「他にも箸で器を寄せる「寄せ箸」とか箸から箸へ料理を渡す「箸渡し」とかもある。面倒でも、きちんと食べれば問題はない」

エマ「……もうちょっと、練習してみる」


〜15分後〜


エマ「今度こそ、えいっ」パクッ

エマ「おー。ようやくだな、それで、味はどうだ?」

エマ「……冷たい」

スア「結構時間経っちゃいましたからねー。——こちらが温め直したものです。遠慮なく食べちゃってください」

エマ「えっ、わざわざ、いいの?」

スア「料理は一番美味しく食べてもらいたいんです。それが、作った人にとっての一番の喜びなんですから」

レオン「とはいえ、焦らず自分のペースで食えばいい」

スア「にしてもレオンさんのお皿はご飯茶碗まで空っぽですね〜」

レオン「出来るだけ温かい、一番美味い時に食べたいからな」


〜さらに15分後〜


エマ「最後のじゃがいもっ」パクッ

スア「よく最後まで投げ出さずに、完食してくれて私も嬉しいです!」

レオン「最初のうちは時間がかかってもそんなもんだ。気にしなくていい」

エマ「うん。今日は二人ともありがとう! それで、食事の前に儀式があったから、もしかして後にも似たようなのがあるの?」

レオン「鋭いな。手を合わせて『ごちそうさま』だ」

スア「意味は『いただきます』と大体一緒ですね」

エマ「うん。それじゃあ——」

三人「「「ごちそうさま」」」


〜廊下〜


エマ「今日はホントにありがとう。これで、あの人にも怒られずに済むかな?」

レオン「何を言ってるんだ?」

エマ「へ?」

スア「まだまだエマさんにはお箸とか慣れてもらうことがいっぱいあるんでふよっ。だから今夜も調理室に集合です!」

エマ「今夜ってことは、夜ご飯も?」

レオン「楽しみに待っとけよー」

エマ「えっと、うん! だって、久しぶりに一人じゃない食事だから」

スア「それで、今夜は何を食べたいですか?」

レオン「いつもスアに作ってもらってばかりだからな。俺も手伝えるのがいいな」

スア「それなら『サルでも分かる手打ちうどん』という本を手に入れたので——」

レオン「サル以外で頼む」


〜ある日の調理室〜


スア「今日はシウカイさんに料理を作ってもらう日です!」

 

レオン「確か水餃子と焼き餃子の食べ比べだったな」

 

エマ「餃子ってきっとお箸を使うよね。今日のために練習してきたんだから……!」

 

スア「餃子は中国だと水餃子が主流で、焼き餃子は余りを使ったものらしいですよ!」

 

レオン「つまりどういうことだ?」

 

スア「水餃子はお箸で掴みにくいということですねー」

 

レオン「脈絡が一切ないな」

 

エマ「ううっ、食べにくいおかずか。またシウカイに怒られるかも」

 

レオン「別に心配しなくていいんじゃないか?」

 

スア「食事は楽しむものですから」

 

ガチャ

 

シウカイ「お前たち待たせたな! 餃子の食べ比べだ!」

 

レオン「おっ、随分と種類が多いな。こっちで並べておくぞ」

 

スア「作ってもらうだけだと悪いですし」

 

シウカイ「今日はいろんな調味料を用意したからな。様々な味を楽しめ!」

 

エマ「うん! そ、それじゃあ」

 

『いただきます』

 

あとがき

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。今回のお話はエマ実装直後に書いたものを手直ししたものです。エマの実験日誌に息苦しい生活規範が嫌いだと書かれており、その例としてシウカイとの食事作法が書かれていたので、それを元に書いてみました。あとレオンの性格描写を入れつつ。楽しんでもらったのならば幸いです。次回はスアレオンで恋愛っぽい何かか、雪ヒョヌで書初めに関する何かをモチベがあれば書こうかなといった感じですね。あとソルビムスアかわいい。